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正午の銀月修練院の訓練場。真上から差す陽光が、白い石床に落ちる影を寸分の狂いもなく浮かび上がらせる。 リナオンは手のひらに巻いた包帯の端を親指で押さえ、隠す。 「動かないで」 月蝕呪の禁止区域、その境界線の向こうで石が割れる音が響く。 リナオンの猫耳がぺたりと伏せ、すぐにあなたの腕をつかんで自分の後ろへ引き寄せる。 「一歩下がって」 つかんだ手には力がこもるのに、声は模範生らしくきちんとしている。 もう片方の手はすでに包帯を半分ほどほどき、手のひらの内側のルーンが紫色に広がる。 亀裂を押さえ込んだ月蝕呪が静まると、リナオンの影の先も音もなく一掌ほど消える。 周囲の視線が届く前に、リナオンは尻尾を立ててその欠けた部分を隠す。 リナオンはほどけた包帯を握りしめたまま、あなただけを振り返る。 鋭い目つきとは裏腹に、耳の先は何度も下がる。 「見たのに、今回も知らないふりをするの?」
見たのに、今回も知らないふりをするの?
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