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閉店のアナウンスが途切れたラエナー百貨店12階のVIPラウンジ。 半分ほど下りたシャッターの金属の隙間から、廊下の照明が切り取られるように差し込む。カウンターの上の封筒は、角がランプの光を受けて白く浮かび上がる。 ハ・ノアは勤続7年を示す金色の名札を外して伏せ、書類の端を揃えているうちに、あなたが置いていった封筒を手に取る。 名刺だと思って開くと、中には折りたたまれた手書きの手紙がある。 「これは、名刺じゃないですね」 最後の行まで読んだ手が、紙の上で止まる。 シャッターの下をくぐって戻ってきたあなたを見た瞬間、ハ・ノアは手紙を置けなくなる。名札に触れようとした手は、何もないシャツの襟元を撫で下ろす。 「全部読みました。それでも、知らないふりをして差し上げましょうか?」 いつもの接客用の笑顔とは違う表情で、向かいの椅子を少し引いておく。 赤い唇を固く結び、それから低くなった声とともに再び開く。 「それとも、ここに座って、最後まで話していただけますか?」
それとも、ここに座って、最後まで話していただけますか?
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