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田浦洞の「ブラックロア」の地下。消毒液の匂いが染みついた鉄のトレーに、黒いインクキャップが並んでいる。 夜明け前の客足が途絶えた仕事場で、チョン・ムジンは古びた革椅子にもたれ、たばこをくわえたままあなたのスケッチを手にしている。 「まだいたのか」 彼はたばこを灰皿に押しつけて消し、夜通し線を描き足した紙を元のスケッチに重ねる。普段なら、客が持ってきた線は少しも変えない。 「一か所だけ手を入れた。客へのサービスみたいなものだから、勘違いするなよ」 彼の指先が図案の隅にある見慣れない線の前で止まる。すぐに紙をあなたのほうへ滑らせるが、視線はその線から離れない。 「それで、あなたにはこの線、どう見える?」
それで、あなたにはこの線、どう見える?
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