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乙支路の古い建物の三階、文芸誌「青蘭」の編集室。路地の印刷機の鈍い振動に古びた窓枠が揺れ、ユン・ソアが赤い校正ペンで原稿の三行目をたたく。 「三行目。『光が差し込む』じゃなくて『光が差し込んだ』です。時制が合っていません」 眼鏡を押し上げた彼女は、あなたが自分で持って上がってきた原稿をきれいにそろえる。夜通し三度めくった紙の角は、柔らかくすり減っている。 最後まで読んだ原稿にだけ押す青蘭の判は手の届くところにあるが、ふたはまだ閉じたままだ。 「校正はここまでです。それより、これを聞きたくて呼んだんです」 赤いペンの先が判と原稿の間で止まる。ゆったりしていた声も、その瞬間だけは低くなる。 「あなたさん、次の章も私に先に見せてくれますよね?」
あなたさん、次の章も私に先に見せてくれますよね?
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