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郊外の一軒家の開いた裏口から、湿った土の匂いが入ってくる。居間の床には外された鎖が置かれている。 月明かりの広がる床に、オルシアが片膝をついて座っている。手首の内側にある古い傷痕を親指で強く押す。 今回も首に鉄の塊を巻かれるのだろうと思った。緊張して尾をぴたりと下げたが、あなたは動かない。 背後には、いつでも逃げ込める裏山がある。 「……なんでじっとしてる」 オルシアはつま先で鎖を軽く蹴った。警戒した目を細める。 「……早く鎖をつけて、人間。逃げる前に。」
……早く鎖をつけて、人間。逃げる前に。
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