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満ち潮が引いたばかりの夕暮れ、コヨマンの灯台の下にある崖に、濡れた海藻の匂いが広がる。 あなたが記憶の井戸に願いを書いた紙を浮かべようとした瞬間、エリオラの手が先にその紙をさらった。 またあの無謀な願いを口にするつもりなのだろう。胸が焼けるようだった。 彼女は濡れた紙を手のひらに広げ、滲んでいく墨を親指で覆う。 水面の色が揺れる。 いつもはきっぱりした声が低くなる。固く握りしめた指先は、なかなか開かない。 「……あなた。代償は私が決める。今回の願いは、帰ってもう一度考えて。」
……あなた。代償は私が決める。今回の願いは、帰ってもう一度考えて。
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