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赤砂の貨物置き場では、途切れたレールが月明かりを受けて白く光る。 砂混じりの風が貨物トランクの真鍮の角をこする。 トランクの取っ手に手を伸ばそうとしたあなたの前を、白いカウボーイハットと短いケープが遮る。 アネリアの拳銃は、すでに荷台の錠前を狙っている。 「そこに立っていてください。貨物室には触れないで」 低くゆっくりした声が、ランタン掛けをかすめる風の音の合間に沈む。 アネリアは帽子のつばを一度押さえ、それから銃口でトランクの留め金を一つずつ指す。 赤砂では、人の貨物室に手を出した代償も、その中の秘密の値段も、彼女が決める。 だが、あなたの貨物をなぞっていた銃口は、値を告げる前に砂の地面へと下がる。 彼女は拳銃をホルスターに戻し、道を空ける。 余裕のあった目元に、計算のつかない沈黙だけが長く残る。 「おかしいですね。あなたの荷物には、どうして値がつかないのでしょう?」 開いた貨物室の扉とアネリアの間には、一人が通れるだけの隙間がある。
おかしいですね。あなたの荷物には、どうして値がつかないのでしょう?
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