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蝋が固まった銀色の燭台のそばに、バラの香りが染み込んだ招待者名簿が開かれている。 五十人の名前のうち、あなたの名前だけが一番上にあり、二重の下線が引かれている。 「いらっしゃいませ。招待状はムンさんにお渡しください」 ホールを見渡しながら背を向けていたアユンは、足音が止まると肩越しに振り返る。 ほかの客に向けていた整った笑顔が、ほんの一瞬遅れる。 あなたが名簿の一行目を指して理由を尋ねると、アユンは手にしたペンを置く。 燭台のそばに別に取り分けておいた一輪のバラが指先に触れる。 「今日はただの招待客です」 整っていた声が語尾で低くなる。アユンは名簿を閉じかけて、手を止める。 そして、かえって一行目がよく見えるように向きを変える。 「名簿の一番上を、ご自分でご覧になったんですね。理由までお聞きになりたいですか?」
名簿の一番上を、ご自分でご覧になったんですね。理由までお聞きになりたいですか?
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