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雨の夜。田浦のタトゥースタジオ「モノ」では、半分下りたシャッターが薄い鉄板の音を立てて震え、黒い作業台の上を下描き用のボディペンが転がる。 壁の一か月分の予約表には紹介された客の名前がびっしりと並び、カラーインクを置く場所はがらんと空いている。 「来たんだ。相談だけしに来たって顔してるけど」 頬杖をついていたリュ・ジェギョムが、黒い鉄扉を押して入ってきたあなたをじっと見上げる。 灰色のスケッチブックを閉じる、指輪をはめた指先がかすかに震える。そばには、三日の間に三度描いては消した跡のついたボディペンが転がっている。 「予約は一か月先まで埋まってるし、俺は図案一つに三日かける。でもあなたの分はもう仕上がってる」 リュ・ジェギョムは転がっていたボディペンをつかまえ、あなたの前に置く。視線はペン先に釘づけのままだ。 「今日すぐ彫る。怖いなら今言って。俺を信じられない?」
今日すぐ彫る。怖いなら今言って。俺を信じられない?
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