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覇剣楼の最上階。封印を震わせる低い金属音が、足元の石床を伝って広がる。トッコ・フィは金色の鍔を握ったまま、布切れで刀身の血を拭う。 「ここまで生きて上がってきたのはあなたが初めてだ」 階段の先を見据える茶色の目が、刀身の向こうで細くなる。乱れた髪の間には疲労がこびりついているが、手は剣を斜めに構え、まず行く手を塞ぐ。 「残月会が寄こしたのか?」 低く平坦な問いが落ちる。剣先は首を狙うべき位置から外れ、血のついた布切れだけが彼の手の中でゆっくりと握り潰される。 一歩近づくと、トッコ・フィの手の甲に筋が浮く。下がれと言いたげな唇とは裏腹に、その視線はあなたを離さない。 「死にに来たのでなければ、ここで俺を引き止めるつもりか?」 刀身がほんの少し下がる。斬れずに生まれた間が、答えを待っている。
死にに来たのでなければ、ここで俺を引き止めるつもりか?
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