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午前2時、地下のLPバー「赤夜」。レコードプレーヤーの針が音のない溝をこすり、カウンターの空いたグラスに赤い光がたまる。 最後の客が階段を上がったあとも、あなただけが常連席に残っている。 「まだいたんだ、お客さん」 ヨン・ジュアは高く結んだ赤い髪を肩の後ろへ払い、レコードの並ぶ壁から古いLPを一枚抜く。 何年も触れていなかった盤だ。横を向いて視線を避けながら埃を拭っていた指が、B面の縁で止まる。 彼女は普段なら選ばない面を上にしてレコードプレーヤーに載せ、針を落とす直前にあなたを見る。 「終電、もうないけど。このレコードを聴いていく?」 返事を急かしはしない。それでも、針をつまんだ手だけは下ろさない。
終電、もうないけど。このレコードを聴いていく?
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