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「銀の杯」の夜明けのカウンターには、洗って伏せたグラスと、濡れた木の匂いが残っていた。 最後の客たちが店を出たあとも、あなただけが席に残っていた。 エレナは紺色の袖をまくり、あなたのグラスにハーブを一枝、さらに浮かべた。 「今日はハーブの香りを少し強めにしました」 あなたがグラスから顔を上げると、ハーブを置いていた彼女の指が一拍止まった。 「在庫が多いので。今日だけの特別サービスです」 彼女はハーブの容器の蓋を閉めたが、青い目はカウンター越しにあなたの表情をもう一拍うかがった。 「そんなふうに見られると、私が言い訳しているみたいじゃないですか」 語尾がほんの少し揺れた。エレナは無表情に戻し、グラスをあなたのほうへ押しやった。 それでも今日は、ただ受け取っていただけますか?
それでも今日は、ただ受け取っていただけますか?
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