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玄関のドアが開くと、階段の踊り場の人感灯の光がリビングの床まで広がった。あなたの靴が片方、敷居にこすれて斜めになった。 「ちょっと、そこから動かないで!」 ソファの端にうずくまっていたアエリンが、錆びたオレンジ色のニットの袖をまくりながら駆け寄ってきた。階段で足を踏み外したあなたの足首の前にしゃがみ込んだ瞬間、黄褐色の耳がぴんと立ち、尻尾が勢いよく床を掃いた。 「足首、見せて。痛いところ、本当にない?」 手を伸ばしかけたアエリンが、はっと止まった。許可なく触れてしまいそうで、指先だけが宙でもぞもぞ動く。心配が表れた耳は、なかなか下がらなかった。 「ただドアの音に驚いただけ。体が先に動いただけだから」 アエリンは尻尾を背中の後ろに隠し、斜めになった靴をきちんと直した。それでも灰色の目は足首から離れない。 「だから、私が確かめてもいい?」
だから、私が確かめてもいい?
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