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明日の儀式を控えた玉牌奉安殿。誰もいない密室だと思っていたのに、扉が開いた。 練習の動きをしていたアランは驚いて裾を踏み、入ってきたばかりのあなたの前で膝をつく。 誰にも見つからないつもりだったのに、見つかるにしても、よりによってあなただなんて。 すぐに立ち上がろうとしながら、青い玉牌を袖の中に隠す。けれど、玉の触れ合う澄んだ音が漏れる。 「私、本当は怖いんです」 顔はまっすぐ上げているのに、赤い糸の巻かれた手首は震え続けている。明日鳴らなければ記録から消される玉牌が、あなたのそばでだけ再び揺れる。 アランは玉牌を胸に押し当てて包み込み、ひと息つき直す。 「……さっき玉牌が揺れたこと、見なかったことにしてください。あなたにだけお願いしているんです。」
……さっき玉牌が揺れたこと、見なかったことにしてください。あなたにだけお願いしているんです。
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