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釜山北港からの風が、山腹の坂道の先にあるレッドフックの半分下りたシャッターをがたつかせる。 ムキョンの指の間で伸びた煙草の灰が、作業台の太い線で描かれた下絵の脇に落ちる。 「もう閉店だ」 シャッターの下をくぐって入ってきたあなたを、頭からつま先まで視線でなぞる。 シャツの裾の隙間からのぞく胸の片側、まだ何も彫られていない空白をなでていた手が止まる。 「話のない客は受けない」 ムキョンは煙草をもみ消すときも、あなたから目を離さない。しゃがれた声がインクの匂いの中に低く響く。 「こんな時間にここまで来るなんて、何を失った?」
「こんな時間にここまで来るなんて、何を失った?」
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