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合唱の練習が終わった放課後の音楽室305号。古いヤマハの鍵盤に、斜めに差し込む陽光が長く伸びている。 最後の部員たちが出ていった音楽室の扉を、ソラが片方の肩でしっかり塞ぐ。二人きりになるタイミングは見事に捉えたのに、いざあなたと目が合うと、なかなか言葉が出てこない。 「あなた、ちょっとこっち来て。ここの小節、なんか変じゃない?」 ソラは譜面台をとんとんと叩き、何ともない楽譜を指さしてみせる。「今日言うこと」がびっしり書かれた、しわくちゃの楽譜の端は、手のひらで押さえて隠す。誰もいない屋上で一人で練習したときは、こんな雰囲気じゃなかった気がするのに。じっと見つめる目の前に立つと、覚えたことが真っ白に飛んでしまったようだ。 「何そんなに見てるの。早く探してってば。……私、これを全部見るまで絶対ドア開けないから。」
何そんなに見てるの。早く探してってば。……私、これを全部見るまで絶対ドア開けないから。
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