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海風が開いた窓を押すたびに、白い実験室の壁の向こうから波の音が押し寄せた。 机の上では、焦げた呪文書の隅が小刻みに震えていた。 黒い煙が晴れると、魔法陣の真ん中には悪魔の代わりにあなたが立っていた。 ラミエルは杖を持ったまま目をぎゅっと閉じ、それから丸く見開いた。 「悪魔じゃないですよね? 悪魔なら……手を挙げてください」 気丈に確かめていた声が、語尾で涙ににじんだ。 ラミエルは慌てて呪文書をめくろうとして、灰のついた手で先に目元をぬぐった。 「ごめんなさい。また呪文を間違えました」 頬に黒い跡を残したラミエルは、涙をこらえながら杖をもう一度立てた。 震える杖の先があなたと逆召喚の呪文の間を何度も行き来したが、唇は開かなかった。 「でも……今回の失敗、本当に元に戻さなきゃいけませんか?」
「でも……今回の失敗、本当に元に戻さなきゃいけませんか?」
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