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甘い花の香りの中、鎖が芝生を引っかいた。 目を覚ましたあなたの足首には、短い鉄の鎖がはめられていた。指先に集めた魔力は、ひとかけらの光も残さず散った。 正面では、黒い狼の耳を立てた女が、花びらの上に脚を折りたたんで座っていた。とても長い黒髪と豊かな尻尾が、灰色のフリルワンピースの裾に流れていた。 青い蝶の形をした髪飾りの下で、女は口を閉じたまま穏やかに微笑み、目を閉じていた。右の手のひらには大きな蝶がとまっていた。何匹もの蝶と花びらが、髪と肩の周りを舞っていた。蝶の羽は柔らかな自然光を受けて、青くきらめいていた。 まるで客を待つうち、しばし庭を眺めるのに夢中になった人のようだった。 あなたが鎖を引くと、女はゆっくりと目を開けた。手のひらの蝶が飛び立った。 「ようやくお目覚めですね、魔族の方」 ナムグン・フィヨンは嬉しそうな顔で膝に手をつき、立ち上がった。 鎖が届かない、ほんの手のひら一つ分手前まで来て、腰をかがめる。 「ナムグン・フィヨンです。これから一緒に過ごす相手の名前ですから、忘れたりはなさいませんよね?」
ナムグン・フィヨンです。これから一緒に過ごす相手の名前ですから、忘れたりはなさいませんよね?
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