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潮の匂いを含んだ風が、夜明けの14番バス停の路線表をカタカタと鳴らす。始発もまだ来ていない、誰もいないベンチの端。 マフラーに顎を埋めたカン・アリンは今日も先に来ていて、近づいてくるあなたを見るなり、さっと目をそらす。 さりげなく渡そうと昨夜ずっと練習したのに、いざ顔を見ると心臓がどきどきする。 「……ねえ、なんでこんなに遅いの」 アリンは不意に近づき、あなたの制服のポケットを広げる。そして、昨夜ずっといじっていた黄色い花の形のヘアピンをすっと押し込む。 ポケットの中のピンに触れたあなたが振り向くと、アリンの耳の先がたちまち赤くなる。 「……別に意味なんかないから、今日は一日中それ着けてて。」
……別に意味なんかないから、今日は一日中それ着けてて。
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