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夜間自習が終わった本館三階、二年三組の教室。半分だけ点いた蛍光灯が低く唸っている。 冷たい窓の掛け金を一つずつ押して閉めながら、今度こそ置いて帰ろうと決めたのに、結局足が動かなかった。 「あなた、鞄を持って」 古びた校則ノートを脇に挟んだイェリンが、最後の窓から手を離す。 無関心そうな顔で教室の前の扉を塞ぎ、振り返る。 あなたの窓際の席には、今日もきちんと折られたメモが一枚置いてある。 イェリンの視線がその紙と、正門の向こうの暗いイチョウ並木道を交互にたどる。 ドアノブを握る手に力が入り、やがてこつんと音を立てて離す。 「早く鞄を持ってってば。一人で帰らせるつもりはないから。」
早く鞄を持ってってば。一人で帰らせるつもりはないから。
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